特集1 1999/09/10(Fri)

日立 DT−DR3000 ってこんなやつです。

最近AVマニアの間で支持を受けている日立製D−VHS

 

 


ちょうど触る機会があったので、簡単なデータを採って見ました。ストリーム記録器としては単に入ってきたデータをデコードするだけですので、特徴のアナログ入力→デジタル変換記録の部分についてのみ評価しています。

測定環境

評価方法

信号発生器またはビデオチューナーからの信号を、ラインRCA端子、S端子それぞれに加え、出力をRCAコンポジット端子、S端子それぞれからプロフィールプロ(RCA接続)、PVM (SおよびRCA接続)につなぎ、入力信号のスルー画(Aモニター)と、MPEGエンコード出力(Dモニター)を交互に切替えて評価しました。評価にはモニターの目視で行い、オシロスコープ、スペアナの表示で裏づけデータを確認しています。→結線図

(注) 信号発生器にはS端子が無いので、S端子での測定にはY端子のみを使用して、信号発生器からの出力はCをカットしています。


評価結果

デジタル部分

測定信号を入力してDモニターの出力を測定、観測した結果を以下の表に示します。

簡単に言うと入ってきた信号をほぼそのまま記録している結果になりました。YC時間差もなく、解像度も素直に伸びています。ただし垂直方向の色にじみが2ライン程出ています。YC分離回路の特性でしょうか? 垂直方向の色だれは動画では結構目立つので少し気になります。

微小成分には若干難点があります。静止画カラーバーで、モニターの目視でクロマに薄くもやもやしたノイズ(色のもやつき)および、輝度信号でのざわざわしたベースノイズが見えました。これは波形で観ると、輝度信号にMAX50mVp−pの残留ノイズ(サンプリングパルスのスパイクノイズ又はDAの残留ノイズ? が重畳しており画面にて確認出来るものと考えられます。(とはいってもこのレベルはS−VHSなどの場合でも3DYCやTBCが搭載されていると同様のノイズが観測されますので、他と同等と考えてもいいかもしれません。)

解像度が、コンポジット端子では目視340本になります。モノスコのようなバーストなしの信号を入力した場合、セット側でバーストを付加して出力するため、コンポジットの目視評価に使ったプロフィールプロでクロマキラーが働かず、クロマの帯域と重なる部分で輝度信号が減衰してしまった(TV側で減衰させた)結果です。

動画の評価では、きれいな信号をソースにした場合、エッジの劣化やブロックノイズ等はほとんど見られませんでした。実用上は十分な品位を持っていると思われます。(動画の評価は時間が足りず、突っ込んだ見方が出来ませんでしたので詳細は割愛します。)

アナログ部分

詳細はデータを取りませんでしたので、動画の簡易録再の印象だけ。

S−VHS SPに関しては特に他社に対して優劣を語るものはないと思われます。しかしSーVHS EPの画質はお世辞にもいいとは言えません。エッジがぎらぎらするくらいに強調されていますが、解像度は低く、そのためべたべたにつぶれた絵に輪郭だけがじらじらと目につく絵になっていました。はじめ、間違ってノーマルVHSのEPモードで記録したのかと勘違いし、記録をやりなおしましたが、やはりS−VHSもーどのEPでした。

はっきりいってアナログビデオの部分はおまけというほかありません。

結論

アナログのMPEG記録について、NTSCにSDモードでの画質は必要十分。ただしデジタルの特徴である、存在し無い信号が若干発生するが、総体的に素直な特性でしょう。


評価データ

項目 \ 使用端子

S 端子出力

コンポジット(RCA)端子出力

解像度

S端子入力

目視 = 500本 →モニター画面写真

計算上の解像度 = 約 510本

(輝度周波数帯域幅より計算)

目視 = 340本 →モニター画面写真

計算上の解像度 = 約 465本

(輝度周波数帯域幅より計算)

 

コンポジット 端子

入力

目視 = 500本→モニター画面写真

計算上の解像度 = 約 500本

(輝度周波数帯域幅より計算)

目視 = 340本 →モニター画面写真

計算上の解像度 = 約 455本

(輝度周波数帯域幅より計算)

 

輝度S/N

比視感度補正無し

スペアナで約 48 dB

ビデオスイープ波形での測定なので一種の目安程度です。帯域全体に存在するベースノイズと信号平均値との比で観ました。

輝度周波数帯域

30KHzに対し−14dB点を測定

EAIJ(VTC−008)解像度判定の際の判別限界点に基づく。

 

S端子入力

入力:ビデオスイープ

100KHz〜6.75MHz(サンプリング周波数の1/2の帯域に設定)

約 6.4 MHz→スペアナ画面写真 約 5.8 MHz→スペアナ画面写真

コンポジット 端子

入力100KHz〜6.75MHz(サンプリング周波数の1/2の帯域に設定)

約 6.3 MHz→スペアナ画面写真 約 5.7 MHz→スペアナ画面写真

マルチバースト

応答波形

 

S端子入力  S端子の入出力では、5MHzまでほぼフラットなため、ほとんど波形の減衰は見られません。

 周波数 左から

500KHz = 100%としてスケールを合わせました。

1MHz

2MHz

3MHz

3.58MHz

4.2MHz = 97% (右端)

コンポジット 端子

入力

 コンポジット入力でもS端子で出力した場合は、S端子入力とほぼ同じ(若干高域が減衰しますが)帯域が確保できているようです。  コンポジット入出力では高域の減衰が若干目立ってきます。
Sin2 &2T Pulse & Bar Pulse応答波形

 Dモニターの出力写真です。

生の信号(TG−7直)の波形に比べ、若干2Tパルスのレベルが落ちているのと、BARパルスの立ち上がりエッジがわずかに鈍っています。

絵で見ると、若干先鋭度が落ちてまるくなるのが判りました。

しかし変なエッジをつけたりF特をいじったりしている形跡はありません。かなり素直に源信号を記録再生しているといえます。

YCの時間ずれもありません。(Sin2信号の波形で判別します。) 画面で見てもクロマのにじみや遅れ進みは観測されませんでした。(スタジオモニター使用)

 

カラーバートランジョン

3DYC分離フィルター

EIAカラーバーをコンポジットで入力したときのコンポジット出力(Dモニター)です。 上段のハイライト位置を拡大表示しています。

画面ではイエローとシアンの境界部分です。源信号と比べてみましたが、特に波形の劣化や位相のずれは認められません。上のパルス応答の結果と会わせても、H方向のYC時間ずれ、クロマのにじみはないといってよいでしょう。

 
 同じカラーバーのスタジオモニター上の表示(S端子で接続) をデジカメで撮影しました。横方向の色ずれ、色にじみはありませんが、V方向では色の境界の前後2ラインで色のにじみが見られます。3DYC分離の垂直方向への適応が弱いのでしょうか?  

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